Memorandums?

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電験3種 体験記と勉強法

平成28年度の第三種電気主任技術者試験を受験し、
翌日の公式解答で自己採点した結果、おそらく合格することができました!
試験時間が余ってマークミスなども念入りにチェックはしているのでたぶん、たぶん大丈夫だと思います。

忘れないように、合格までの道のりと自分の勉強法をまとめておきます。


11/6追記
10/24ごろに合格通知が届きました!
改めて見返すと、文章がハチャメチャだったので、少し記事を修正しました。

[受験年度]
平成26年度・平成27年度・平成28年

[合格科目]
理論→電力→機械・法規

[合格した点数]
理論: 65点(正確には不明)
電力: 55点
機械: 80点
法規: 62点

[使用したテキスト]
完全マスター理論・電力・機械・法規
電験三種過去問題集(10年分)(電気書院)

完全マスターは本当に網羅されていて頼りになりました。
この過去問題集は10年分も収録されている&左側問題/右側解説でとても勉強しやすかったです。
ただ、やっぱり電験の場合は、過去問よりも圧倒的にテキストでの勉強が重要です。
その他、参考書やセミナーなどは利用していません。

[専門分野]
電子情報系(情報寄り)

[得意分野]
数学・情報・単相電気回路・物理(電磁気・基本的な力学)

[勉強時間]
時間は測ってはいません。
学生なので、3年間の春休み・夏休み期間中を利用しました。

[自身にとっての難易度]
法規 >> 機械 > 電力 >> 理論

[感想]
正直なところ、1年目・2年目は電験3種を甘く見ていたかもしれません。
というよりも、1・2年目は、初めから「すべてを理解しよう」として、「暗記」をほとんどしようとしなかったのが最大の反省点だったと思います。

ここからは年ごとに振り返っていきます。

[1年目]
1年目は「目指せ!全科目合格!」と意気込んでいました。
ところが、実際勉強を始めてみると、電力・機械・法規の内容が全くと言っていいほど、頭に入りませんでした。
理論に関しては、学校の授業(電気回路・数学・電磁気学)や趣味の電気・電子工作によって、既知の部分が非常に多く、三相交流以外は問題ありませんでした。
そのため、理論は無事合格できましたが、その他の科目は、実力通り撃沈しました。

[2年目]
2年目は「目指せ!電力・機械合格!」という目標を立てました。
勉強を始めると、
電力科目は、発電所の話がとても面白く感じ、用語などは比較的すんなり頭に入ってきました。
また、ベルヌーイの定理や出力計算なども物理が好きだったので、基礎から理解できました。
電力科目の最大の問題点は、理論でも立ちはだかった、「三相交流」でした。
これがどうにも理解できませんでした。
機械科目の中でも、情報系分野は専門分野だったため、全く勉強する必要がありませんでした。
電動機・発電機分野は、実務経験がないため感覚が非常に掴みにくく、仕組みや原理がさっぱり理解できませんでしたが、基本的な計算のみ頭に叩きこみました。
そして、2年目の試験は、電力はB問題の三相交流計算はほとんど間違ってしまいましたが、A問題の正答率の高さでカバーし、55点というヒヤヒヤする点数ではありましたが、なんとか合格できました。
機械科目は、「電動機・発電機の原理を理解していないこと」・「三相交流が苦手なこと」この2つの理由で40点程度しか取れず受かることはできませんでした。

ちなみに、1・2年目はほとんど「暗記」をしようとしなかったため、
ほぼ全てが暗記科目である法規はまったく太刀打ちできませんでした。(法規の計算もあまり対策していなかった)

[3年目]
3年目は、ここで受からなければ理論が失効してしまうことや、専門が情報系であるのでいつまでも電験に時間を取られるわけにはいかないというプレッシャーから
「絶対に機械と法規を取らなければいけない!」と考えていました。
「2年間曲がりなりにも勉強してきたことによる慣れ」と「意味が分からないこともとりあえず暗記することを決心したこと」によって、理解量が圧倒的に増えました。
機械科目は、三相交流はパターンを押さえることによって得意になっていき、誘導機の原理などもとりあえず覚えることによって、徐々に理解できるようになりました。
そして、計算問題ならほぼ間違えることはないと思えるようになりました。原理も大体は理解できました。
法規科目は、暗記が苦手だったので本当に時間がかかりましたが、なんとか頭に叩き込むうちに徐々に他の知識などと結びついて楽しくなっていき、
基本的な条文や数値だけはなんとか覚えました。
また、三相交流が理解できるようになってから法規の計算が格段に解けるようになり、試験直前には、計算問題はどんな問題が来ても絶対に解けると思えるようになっていました。
そして、3回目の試験では、機械科目は問題自体が簡単であったことや、計算が多かったことから、かなりの数の問題を自身をもって解け、結果的にも80点を取ることができました。
法規科目は、計算問題が少なく難化傾向にあった上に、覚えた条文などはほとんど出ませんでしたが、計算は100%正解し、文章問題も基礎的な理論や計算の知識から選択肢を2択程度に絞り込むことができ、62点でなんとか合格できました。
自己採点で合格が分かったときはもう...感激でした(泣)

[まとめ]
この3年間を振り返ると、初めは理論を重視しすぎるあまり、難しくて結局理解できず、あきらめてしまっている状態でした。
これを、とりあえず暗記して、あとから理解につなげる方針に変えたところ、徐々に頭の中でさまざまな理論がつながり、一気に理解の幅が増えました。

「薄くでもいいので、基礎を広く」が電験のコツ(?)かもしれません。

自分は暗記が大の苦手だったからで、暗記が得意な方は、ある程度は理解しなくても突破できるかもしれません。
ただ、やはり、実際の様々な場面で生かしたいのなら理解は欠かせないと思います。

また、当たり前ではありますが「三相交流」が最も大事です
ですが、理論として三相交流を勉強してもあまり面白くないので、機械や電力の過去問などによって、どんな感じに使うのかのイメージを掴んでいくのがいいかなと思います。
法規に関しては、「計算問題を完璧にすること」が重要です。
条文はいくらでもありますし、覚えるのはキリがなく、条文問題を本番で確実に解くというのは極めて厳しいです。そのため、計算問題で稼ぎ、あとは条文問題で点数を補填するのがベストかなと感じました。

2年目までの浅い理解のまま、たまたま合格できていても、正直、今後の役にはほとんど立たなかったと思いますし、
原理がある程度わかって楽しくなった状態で合格できたのはとてもとても大きかったです。
電験2種/1種と上はまだまだありますが、電験3種の勉強で、電気の楽しさが分かり、根気も鍛えられたので、自分にとっては本当に良かったです。
...というわけで、情報系の研究者になりたいので、電験2種以上は目指しませんが、
知識などを忘れないように、今後も定期的に電験の問題解説や電気系の原理・計算の解説をしていきたいです

太陽光発電 39th-day

Commentary.

太陽光発電(Photo Voltaic)の特徴をまとめる。長年にわたって蓄積された資源を使う必要がなく、クリーンである。

Consideration.

太陽光発電分野は、既存の知識範囲のみで大丈夫かもしれません。
あえて覚えるなら、発電効率10%〜20%程度であるということ。

原子力発電原子炉 38th-day

Commentary.

軽水炉の水の役割は、冷却材と減速材の2つである。
出力が上がり、水の温度が上昇すると、水の密度が減少し、
中性子の減速効果も減少、それに伴い、核分裂する中性子も減少し、
核分裂は抑制される。
抑制されると、水の温度は低下する。
この自己制御性を利用している。

原子力発電には、加圧水型(Pressurized Water Reactor)と沸騰水型(Boiling Water Reactor)の
2種類がある。
加圧水型は、冷却材を沸騰させずに蒸気発生器を介してタービンへ伝達する。
このため、放射線は漏れず、保守管理は楽になるが、構成は複雑になる。
出力の調整は、ホウ素濃度や制御棒の抜き差しによっておこなう。

沸騰水型は、冷却材を沸騰させて、そのままタービンへ送る方式である。
これは、放射線が漏れてしまうため、タービン部分を遮蔽する必要がある。
このため、保守管理は難しいが、構成は単純である。
出力の調整は、再循環流量の調整か制御棒の抜き差しでおこなう。
炉心上部に汽水分離器や蒸気乾燥器があるため、出力容器は、加圧水型よりも大きくなる。

つまり、PWR, BWRの大きな相違点は、蒸気発生器があるかないかである。

制御棒での調整について、
制御棒を挿入すると、出力は低下する。
制御棒を抜くと、出力は増加する。

Consideration.

沸騰水型は、加圧水型に比べて蒸気発生器はないが、
蒸気乾燥器や汽水分離器があるため、大きさは大きくなる。

制御棒は入れると低下、抜くと増加する点に注意が必要である。
これは、制御棒とは、中性子を吸収させる役割があるためである。
中性子が吸収されれば、出力も低下する。

以上の点に注意が必要だ。

原子力発電の計算 37th-day

Question.

熱効率32%の原子力発電において、
 {}^{235}U1gで、質量欠損が0.09%であったとき、
発生電力量[kWh]はいくらか。

Solver.

原子力発電では、核分裂反応の質量欠損分がエネルギーとなる。
この問題を解くために重要なのは、エネルギーの公式である。
 E = mc^2
まずは、質量を求める。
 m = 1 \times 10^{-3} \times 0.09 \times 10^{-2} = 9 \times 10^{-7} [kg]
cは光速であり、 3 \times 10^{8}[m/s]である。
よって、
 E = mc^2 = 9 \times 10^{-5} \times 9 \times 10^{16} = 8.1 \times 10^{10}[J]
 1kWh = 1000 \times 3600 Ws = 3.6 \times 10^6J
なので、
 \frac{8.1 \times 10^{10}}{3.6 \times 10^6} = 7200kWh
となる。


Consideration.

今回は、原子力発電量の計算問題である。
 E = mc^2さえ覚えれば、問題はない。

原子力発電概論 36th-day

Commentary.

日本の原子力発電所は、主に軽水型である。
軽水型原子力発電所の燃料には、低濃縮ウランが用いられる。
原子力発電に使われるウラン235は、天然ウランに0.7%程度しか含まれていない。
よって、これをガス拡散法や遠心分離法などによって濃縮する。
核分裂反応が起きにくいウラン238は、中性子と反応することによって、プルトニウム239に変化し、
その際に発生した、エネルギーが発電に寄与することもある。

核分裂とは、以下の化学式によるものである。
 {}^{235}_{92}H + {}^1_0n \rightarrow A + B + 2.5 {}^1_0n + Energy
原子核中性子を入射すると2種類の原子核に分裂し、
質量欠損分の200MeV(エレクトロンボルト)のエネルギーが発生する現象である。

原子力発電は、発電方式では、汽力発電に似ている。

原子力発電 火力発電
原子炉 ボイラ
原子燃料 化石燃料

原子燃料とは、主に核分裂反応が起きやすいウラン235であるが、
天然では、99%以上が反応が起きにくいウラン238である。


Consideration.

しばらく電験ブログを更新できませんでした。。
試験まで残された時間は短いので、もっとペースをあげていこうと思います!
ただ、ブログに上げるのは、少し遅れるかもしれません。

今日からは、少しの間、原子力発電のはなしです。
軽水型原子力発電は「軽」い水を使うから「低」濃縮ウランを使う。
ウラン238 + 中性子プルトニウム239 + エネルギー
ウラン238も、この変化の際のエネルギーを利用することがある。

ウラン235や238などややこしい。。

電圧の調整 35th-day

Commentary.

電圧は、
100V機器の場合、 101 \pm 6 V
200V機器(電動機など)の場合、 202 \pm 20 V
の間に収まることが望ましい。

供給電圧が定格とずれると、
白熱電球は、電圧上昇によって寿命が短くなり、
蛍光灯は、電圧のずれによって寿命が短くなる。
誘導電動機は、電圧の2乗に比例して、トルクが変化してしまう
ので、注意が必要だ。

電圧維持のための方法を以下説明する。

変電所の送出電圧をピーク負荷時には、大きくし、
深夜などあまり需要がないときは、小さくすると良い。

小さくする理由は、
需要があまり無いとき、フェランチ効果により、電圧が上昇するためである。

前回も説明したが、
電力コンデンサは、位相を進めるので、
位相が遅れている状況下にあるピーク負荷時に用いる。

分路リアクトルは、位相を遅らせるので、
位相が進んでいる状況下にある深夜(高圧負荷を接続し使用していない状態)のときに使う。

いずれも並列接続にする。

他にも、同期調相機や、静止型無効電力補償装置などがある。
同期調相機は、界磁電流を加減することにより、進みにも遅れにも調整できる機械である。
静止型無効電力補償装置は、半導体スイッチによってリアクトルの電流を調整することによって無効電流を高速制御できる。


Consideration.

考察では、分路リアクトルと限流リアクトルの違い・フェランチ効果について考える。

分路リアクトル

別名並列リアクトル。
並列にリアクトルを接続することにより、
進相電流の補償および、過電圧の抑制のために使われる。

限流リアクトル

別名直列リアクトル。
直列にリアクトルを接続することにより、
電流を制限する。
 I = \frac{V}{R} より、
抵抗値が大きくなれば、電流は小さくなる。

このような違いがある。

フェランチ効果

フェランチ効果は、亘長が長いときに対地静電容量が発生し、生み出される現象である。
静電容量によって、コイルのよって遅れていた電流が進み位相となるので、
リアクトルを接続する。

変電設備 34th-day

Commentary.

変電所とは、様々な変圧器によって電力を変成し、他の場所へ伝送する仕組みのことをいう。
一般に変電所は、高圧側の電圧によっていくつかに分類される。

500kV変電所

500kV → 275〜154kV

超高圧変電所

275〜187kV → 154〜66kV

一次変電所

154〜110kV → 77〜22kV

二次変電所

77〜66kV → 33〜22kV

配電用変電所

配電電圧に高圧

通常の力率は70%程度であり、
重負荷の場合は、大きな遅れ電流を生じる。
そのため、進みを取らせるために電力用コンデンサを用いる。
軽負荷の場合は、フェランチ効果により送電端電圧より受電端電圧が高くなり、
進み電流をとるので、遅らせるために分路リアクトルを用いる。


Consideration.

変圧は、大まかに、
500kV → 200kV → 100kV → 50kV → 30kV → 配電電圧
へと順に変換される。
コンデンサは、電流は電圧よりも90°進み、
リアクトルは、電流は電圧よりも90°遅れる
ことを念頭に、
重負荷では、遅れる傾向にあるので、進ませ、
軽負荷では、フェランチ効果により進む傾向にあるので、遅らせると考えることができる。