Memorandums?

This blog is written about technical-discoveries and daily-events.

変圧器の構造と等価回路,ベクトル図 1st-day

Question.

理想的な単相変圧器を考える。
磁束の最大値:  \Phi_m [Wb]
一次巻線巻き数:  N_1
正弦波電圧の実効値: V_1 [V]
周波数:  f [Hz]
このとき \Phi_mを求めよ。


Solver.

磁束の時間的変化の平均値\frac{\Delta\Phi}{\Delta t}を求める。
磁束は交流電圧に伴って、振幅\Phi_mの正弦波で変化する。
この平均を出せばよい。
正弦波の平均値は、
\Phi_{ave} = \frac{2}{\pi} \cdot \Phi_m
で表される。これは、横軸を角度[rad]でとったときの値である。
これを時間軸で考えたい。
そのために、平均値を使って面積を求めてから、それを時間で割って時間当たりの磁束を出す。
 0~\frac{\pi}{2}の範囲で考えると、
面積は、
 \Phi_{ave} \cdot \frac{\pi}{2} = \frac{2}{\pi} \Phi_m \cdot \frac{\pi}{2} = \Phi_m
である。これを時間で割って、単位時間当たりの磁束量を求めると、
この範囲の時間は、 \frac{1}{4} \cdot \frac{1}{f}なので、
 \frac{\Delta\Phi}{\Delta t} = \frac{\Phi_m}{\frac{1}{4f}} = 4f\Phi_m
となる。

\frac{\Delta\Phi}{\Delta t}=4f\Phi_m

ファラデーの電磁誘導の法則により、誘導起電力の平均値は、
V_{ave}=N_1\cdot\frac{\Delta\Phi}{\Delta t}=N_1\cdot4f\Phi_m
で表される。

実効値電圧は、正弦波波形率が\frac{\pi}{2\sqrt{2}}であるため、
V_1=\frac{\pi}{2\sqrt{2}}\cdot V_{ave}=\frac{\pi}{2\sqrt{2}}\cdot 4fN_1\Phi_m

\Phi_mについて解くと、
\Phi_m=\frac{\sqrt{2}}{2\pi}\cdot\frac{V_1}{fN_1}[Wb]
となる。


より簡単な手法で解けることがわかったので更新。
まず、1次側電圧の最大値\sqrt{2}V_1は、
\sqrt{2}V_1 = max(-N \frac{d\Phi}{dt})
である。
\Phi=\Phi_m sin(\omega t)
とすれば、
\sqrt{2}V_1 = max(-N \Phi_m \omega cos(\omega t)) = N \Phi_m \omega
となり、\Phi_mの式に直すと、
\Phi_m = \frac{\sqrt{2}}{2\pi}\frac{V_1}{fN_1}
よって求められる。

Consideration.

そもそも波形率を知らないと大変。
波形率は、\frac{実効値}{平均値}で求められる値であり、
正弦波の場合は、1.11。
あとは、誘導起電力を求める式について、
ファラデーの電磁誘導の法則に基づいて、
誘導起電力 = 巻き数 \times \frac{微小磁束}{微小時間}
これさえ理解できれば、あとは求められます。

はてな記法TeXはプレビューの読み込みが長くて、大変...