原子力発電原子炉 38th-day
Commentary.
軽水炉の水の役割は、冷却材と減速材の2つである。出力が上がり、水の温度が上昇すると、水の密度が減少し、
中性子の減速効果も減少、それに伴い、核分裂する中性子も減少し、
核分裂は抑制される。
抑制されると、水の温度は低下する。
この自己制御性を利用している。
原子力発電には、加圧水型(Pressurized Water Reactor)と沸騰水型(Boiling Water Reactor)の
2種類がある。
加圧水型は、冷却材を沸騰させずに蒸気発生器を介してタービンへ伝達する。
このため、放射線は漏れず、保守管理は楽になるが、構成は複雑になる。
出力の調整は、ホウ素濃度や制御棒の抜き差しによっておこなう。
沸騰水型は、冷却材を沸騰させて、そのままタービンへ送る方式である。
これは、放射線が漏れてしまうため、タービン部分を遮蔽する必要がある。
このため、保守管理は難しいが、構成は単純である。
出力の調整は、再循環流量の調整か制御棒の抜き差しでおこなう。
炉心上部に汽水分離器や蒸気乾燥器があるため、出力容器は、加圧水型よりも大きくなる。
つまり、PWR, BWRの大きな相違点は、蒸気発生器があるかないかである。
制御棒での調整について、
制御棒を挿入すると、出力は低下する。
制御棒を抜くと、出力は増加する。
Consideration.
沸騰水型は、加圧水型に比べて蒸気発生器はないが、蒸気乾燥器や汽水分離器があるため、大きさは大きくなる。
制御棒は入れると低下、抜くと増加する点に注意が必要である。
これは、制御棒とは、中性子を吸収させる役割があるためである。
中性子が吸収されれば、出力も低下する。
以上の点に注意が必要だ。