Memorandums?

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変圧器の結線 4th-day

Question.

500kV・Aの単相変圧器3台を \Delta結線1バンクとして利用している。
そこに、同一仕様の1台追加し、V結線2バンクとするとき、
全体の増加する三相容量はいくらか。

Solver.

そもそもバンクとは、変圧器のまとまりのことを指す。
初めは、単相変圧器3台を \Deltaとして、まとめて、1つにしているので、1バンクである。
同一仕様の単相変圧器を追加すると、変圧器は4台となり、
1つのまとまりで、2つの変圧器を搭載するV結線にしたとき、
V結線の変圧器のかたまりが2つできるので、2バンクとなる。

以下、電力について考える。
単相変圧器の1台の電力は、
 P = EI
これが、3台ならば、
 3P = 3EI
となる。
三相変圧器の場合、
線間電圧E、線間電流Iとおくと、3台で、
 P = \sqrt{3} EI
となる。
 \Delta結線の場合、線間電圧 E, 線間電流 \sqrt{3} Iとなるので、
 P = \sqrt{3} \cdot E \cdot \sqrt{3} I = 3EI
となる。
Y結線の場合、線間電圧 \sqrt{3} E、線間電流 Iとなるので、
 P = \sqrt{3} \cdot \sqrt{3} E \cdot I = 3EI
となる。
V結線の場合、電力は、 P = \sqrt{3} EI である。

V結線のときの利用率について考える。
三相の利用率を考えると、三相電力は、3EIであるため、
 \frac{P_V}{3P} = \frac{\sqrt{3}EI}{3EI} \risingdotseq 0.577 = 57.7 \%
V結線は2台であるため、2台のみで考えると、
 \frac{P_V}{2P} = \frac{\sqrt{3}EI}{2EI} \risingdotseq 0.866 = 86.6 \%
となる。

問題に戻る。
3台で、 \Delta結線して、利用していた時の三相容量は、
 P_{\Delta} = 3EI = 3 \times 500 = 1500[kV・A]
V結線の1バンク当たりの電力容量は、 P_{V} = \sqrt{3} EI なので、2台では、
 2P_{V} = 2 \sqrt{3} EI = 2 \sqrt{3} \times 500 = 1732[kV・A]
である。
よって、 2P_V - P_{\Delta} = 1732 - 1500 = 232[kV・A]
となる。

Consideration.

今回は電力に関する問題である。
三相電力が、 P = \sqrt{3} EIで表されることを理解していないと、
V結線の電力を考えることができない。
また、問題にはなっていないが、V結線の利用率は、重要である。
計算自体は簡単であり、知っていれば、解きやすい問題である。