Memorandums?

This blog is written about technical-discoveries and daily-events.

避雷器の施設 26th-day

Commentary.

避雷器の施設についてである。

避雷器を接地しなくてはいけない条件が定められている。

    • 架空電線路である。
    • 特別高圧及び、500kW以上の高圧である。
    • 発電所・変電所・配電用変圧器の高圧/特別高圧側

主にこれらの場合に接地する義務が発生する。
また、地中電線路では、すでに地中に接地状態であるので、
避雷器は必要ない。

避雷器は、高圧及び特別高圧の場所に施設するため、A種接地工事が必要となる。
A種接地工事は接地合成抵抗値が10Ω以下でなくてはならない。
しかし、合成抵抗値が緩和される条件もある。
接地極がB種接地極と1m以上離れている場合、30Ω以下でよい。
B種接地極と連接接地をおこなう場合、B種接地極抵抗65Ω以下で、
中間点の接地抵抗値との合成抵抗値が20Ω以下ならばよい。
B種接地の施設箇所以外の場合、A種接地極抵抗値65Ω以下で、
中間点の接地抵抗値との合成抵抗値が16Ω以下ならばよい。

なお、変圧器から300m以内にB種接地工事が施される場合、中間接地を省略できる。

Consideration.

避雷器は、地中には不必要で、架空には必要であることは、わかりやすい。
抵抗値は、B種接地極と近い場合は、A種もしくは、B種接地抵抗値が65Ω以下で
共通であることを覚えておくと便利である。

電気線関連定義集 25th-day

Definitions.

電路・電線・電線路・配線という言葉は、大変まぎらわしいので整理します。
引用文献は原子力安全保安院電力安全課「電気設備に関する技術基準を定める省令」から。

まず、電路の定義。

電路とは、電気の通じている回路の全部又は一部を指す用語であって、
電気の通じている導体を、電気の通り道という意味において、
電磁的見地から表現した用語である。

つまり、全般的な回路・電気の通る線のことをいう。


次に、電線の定義。

電線とは、強電流電気の伝送に使用するもののみを指す用語である。
強電流電気とは弱電流電気に対応する用語であり、
弱電流電気(電信、電話等の用に供される低電圧微小電流のものをいう。)以外のものをいう。

つまり、信号線など微弱な電流以外の強い電気を流すための線のことをいう。

次に、電線路の定義。

電線路とは、発変電所、開閉所、電気使用場所など
電気的な単位をなす場所相互の間を連絡する電線と、
これを支持し、又は保蔵する工作物(がいし、支線等を含む。)を指す用語である。
なお、引込線(第十六号参照)は電線路に含まれるが、配線(第十七号参照)は含まれないこととしている。

電気発生所・変換所・使用所どうしを繋ぐ電線とそれを支持するもののことをいう。

最後に、配線の定義。

配線とは、電気使用場所に施設する電線を指す用語である。
配線には電気機械器具内の電線及び電線路の電線は含まれない。

つまり、電気を使用する場所での機器外の線のことを指す。

Consideration.

定義をまとめると、
電路がもっとも大きいくくり。
電線は強い電流を流す線全般。
電線路は、場所場所を繋ぐ線全般。
配線は、使用場所の中で使う線。(要は家で見られる電線)

個人的には、電線が強電流のみであることに驚きです。

電気機械器具の施設 24th-day

Commentary.

住宅内に施設する電気機器は、対地電圧が150V以下である必要がある。
しかし、定格消費電力2kW以上の電気機器の場合は、特別に300Vまで認められる。

発電所・変電所・開閉所などの専門施設以外の場所において、
高圧を扱う場合は、厳格な制約がある。
その理由は、もちろん危険だからである。
条件をまとめる。(おさえるべき大雑把なまとめ)

  • 取扱者以外の人が触れないようにする
    • 柵を設ける
    • 地表上4.5m異常の高さに設ける
    • 金属箱に収め、充電部分を露出しない
    • 木などの可燃性のものから1m以上離す

特別高圧変圧器は、特定の場所のみしか認められていないが、一部例外がある。

  • 一次電圧35,000V以下
  • 二次電圧7,000V以下
  • 特別高圧絶縁電線・ケーブルの使用

Consideration.

特別な施設以外で高圧の機器を扱う場合は、基本的に対地電圧150V以下とし、
危険を示す表示だけではなく、人に触れさせないような対応が必要である。
また、特別高圧では、35,000V/7,000V以下である必要がある。

接地工事 23th-day

Commentary.

接地工事について、電技第10条および第11条で次の記載がある。

電気設備の必要な箇所には異常時の電位上昇、
高電圧の侵入などによる漏電、
火災その他の人体に危害を及ぼし、または物件への損傷を与えるおそれがないよう、
接地その他の適切な措置を講じなければならない。
電気設備に接地を施す際は、電流が安全かつ確実に大地に通ずるようにしなくてはならない。

接地工事には、4種類あり、
A種/B種/C種/D種接地工事がある。
実際には、大変煩雑な定義があるが、簡単に4つの接地工事についてまとめる。
(さまざまな例外もあり)

接地工事 特徴
A種接地工事 高圧・特別高圧
B種接地工事 特別高圧または高圧と低圧を接続する場合
C種接地工事 300Vから600Vの低圧
D種接地工事 300Vまでの低圧


次に接地工事の目的についてまとめる。

  • 人への危害や漏電火災を防止する。
  • 高圧部分と低圧部分が接触し、低圧電路の電位上昇による破壊を防ぐため、
    低圧側のB種接地工事や、
    電気機器絶縁劣化による絶縁破壊のための鉄台・金属製箱に施す接地工事
    などが含まれる。
  • 避雷器など雷害防止装置の保護効果を上げる
  • 避雷器や雷害防止装置を十分に接地させることである。
  • 異常電圧抑制・対地電圧低下・保護装置の確実な動作
  • 中性点接地による異常電圧抑制および対地電圧低下が含まれる。
    地絡故障時のために地絡継電器を整備する必要がある。
これらの3つの目的がある。


Consideration.

接地工事の種類・目的などを把握する必要がある。

負荷周波数制御 22th-day

Commentary.

電力系統の周波数維持のためには、負荷変動に応じた対応が必要となる。
調整方法は、以下の種類がある。

給電調整

長期的に変動が予想される場合は、根本的に発電電力の調整を行う。

調速機フリー運転

短時間の負荷変動の場合は、
調速機のフリー稼働や、負荷の自己制御特性に任せる。
自己制御特性とは、周波数上昇で負荷電力増加、周波数下降で負荷電力減少する特性のことである。

負荷周波数制御

中期間の負荷変動の時は、負荷周波数制御を用いる。
負荷変動による回転数の変化を調速機が読み取り、
原動機に入力する電力を調整し、回転数を一定にする。
負荷変動による周波数の変化に応じて、調速機の設定を変更する必要がある。

負荷周波数制御には、以下の種類がある。

  • 定周波数制御方式(FFC)
  • 単独系統では、周波数のみ注目するだけなので、この方式が用いられる。
  • 定連系線潮流制御方式(FTC)
  • 周波数バイアス連系線電力制御方式(TBC)
  • 連系系統では、潮流制御も大切であるため、この方式が望ましい。

Consideration.

負荷変動の程度に応じた方式がある。
中期間で用いる負荷周波数制御には、さらなる分類があり、
単独か連系かによって制御方式が変わる。

力率の改善 21th-day

Question.

使用電力50kW, 遅れ力率0.8の平衡三相負荷がある。
この負荷と並列に電力用コンデンサを接続して、力率を1にするとき、
必要なコンデンサの容量[kvar]の値はいくらか。

Solver.

問題文中の使用電力とは、有効電力のことである。
力率を1にするということは、無効電力が0ということである。
以下に、有効電力P, 皮相電力S, 無効電力Qの関係式を示す。

{
P = S \cos \theta \\
Q = S \sin \theta
}
今回、既知の値は、有効電力・力率( \cos \theta)なので、
無効電力をそれらで表す。

{
S = \frac{P}{\cos \theta} \\
\sin \theta = \sqrt{1-\cos^2{\theta}} \\ \\
Q = \frac{P}{\cos \theta} \times \sqrt{1-\cos^2{\theta}} \\
= P \times \frac{\sqrt{1-\cos^2{\theta}}}{\cos \theta}
}
代入すると、
{
Q = P \times \frac{\sqrt{1-\cos^2{\theta}}}{\cos \theta} \\
= 50 \times \frac{\sqrt{1-{0.8}^2}}{0.8} = 37.5kvar
}
となる。

Consideration.

「有効電力」というワードは、様々な言葉に置き換えられる。
今回のように、「使用電力」、他にも「消費電力」などだ。
「有効」ということは、実際に使われる分ということであり、
「使用」も「消費」も実際に使われている状態を意味するので、
有効電力と同義なのである。

法規の問題でもこのような問題が出題される。
理論と同様の問題で、理論を勉強していれば、解ける問題である。

負荷の特性と計算 20th-day

Question.

Table1の需要家A,B,Cの負荷を総合した場合における
合成最大電力[kW]と日電力量[kWh]を求めよ。
ただし、不等率は1.3とする。

Table1. 需要家の負荷容量及び、各係数
需要家 負荷容量[kVA] 力率[%] 需要率[%] 負荷率[%]
A 120 85 50 40
B 100 80 60 50
C 200 90 40 30

Solver.

需要率や、不等率、負荷率について説明する。

需要率

{
需要率 = \frac{最大需要電力(実質必要とする最大電力)}{\sum 定格電力}
}

不等率

{
不等率 = \frac{\sum 最大需要電力}{合成最大電力(総合的に見たときの電力)}
}

負荷率

{
負荷率 = \frac{一定期間の平均電力}{一定期間の最大電力}
}

早速問題について考える。

合成最大電力は、
{
合成最大電力 = \frac{\sum 最大需要電力}{不等率}
}
最大需要電力を求めたい。最大需要電力は、
 \sum 最大需要電力 = \sum (定格電力 \times 力率 \times 需要率)
 合成最大電力 = \frac{\sum (定格電力 \times 力率 \times 需要率)}{不等率}

{
最大需要電力 = \frac{(120 \times 0.85 \times 0.5)+(100 \times 0.8 \times 0.6)+(200 \times 0.9 \times 0.4)}{1.3} \\
= \frac{51+48+72}{1.3} = 132kW
}

一定期間の平均電力は、
 \sum 平均電力 = \sum (最大需要電力 \times 負荷率)
日単位なので、
{
\sum 平均電力 = \sum (最大需要電力 \times 負荷率) \times 24 \\
= 51 \times 0.4 + 48 \times 0.5 + 72 \times 0.3 \times 24 = 1584kWh
}
となる。



Consideration.

需要電力や最大電力、合成最大電力などなど、
まぎらわしいフレーズが非常に多い。
それぞれのワードの意味をしっかりとつかんで、解くことが大切である。